スリーズ・キーノート
16





秋になりかけの、肌寒い風を浴びながらシノリの家へ向かう。何を言おうとかなんて、考えるわけもない。
何も言う事なんてなかったから。おめでとうとか言ってやろうか?とか、ふざけた言葉以外。

シノリの家まであと十数メートルという時、誰かが家から出てきた。

……ヨキだ。

一番会いたくなかった。話したくもない。会話なんて、ここ最近まともにしてねーし。
ヨキは俺に気づくと、立ち止まってしまった俺に向かって歩いて来る。迷いがない。
こういう所、嫌いなんだよ。
< 81 / 206 >

この作品をシェア

pagetop