スリーズ・キーノート
「頑張れよ。」
「……ありがとう。」
シノリはまた笑う。ありがとうなんて、言って貰える、資格なんて……。



「……ごめんね。」



謝らなきゃ、ならないのは俺。
ヨキもシノリも、何も悪くない……。

「林檎、剥くね!」

微妙な雰囲気を打ち消すように、レイが冷蔵庫から林檎を取り出し、果物ナイフでそれを剥きだした。明るい声は、俺とシノリの間を通る。
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