新・私と君とのオベシャニエ
……。

あれ、ここ……どこ?

千草も異常に気付いたのか辺りを見回した。

学校の廊下じゃない……?

僕も辺りを見回す。

僕の後ろに立っている大きな建物に『第三南倉庫』と書かれているのに気付いた。

「沙戯那君……さっき何か呟いたよね……?」

まだ状況を把握しきれていない僕は、とりあえずさっき何か呟いた沙戯那君に聞いた。

「詳しい事は後でね。今は……」

沙戯那君が、柚木を見る。

成る程、確かに今は少し前にいる柚木だな。

柚木はまだキョロキョロしていたがやがて落ち着いたのか僕たちの方を向いた。

「どういう……トリック……?」

「さぁね。……君が木葉さんをどうしたのか、教えてくれたら、教えてあげなくもないけどね」

沙戯那君は不敵に微笑んだ。

ズボンのポケットに両手を突っ込んだまま。

このスタイルが沙戯那君なんだ。

「交換……? おもしろくないからパス……それより……勝負の続き……しましょう……?」

柚木は不気味な笑みを見せながらバットを構えた。

沙戯那君は、肩をすくめため息をついた。

「まったく……どうしたらいいのかな」

柔和な表情は崩さないものの、迷っているようなのは確かだ。

何か手は無いか?

僕も考えるが、どうにも今の状態のあいつには会話は通じないだろう。

僕ならさっきの交換、すぐに承諾したけどな。
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