感方恋薬-かんぽうこいやく-
「あ…あの…の…則子さんに聞いたんだけど…」


なんの事か良く分らずにあたしは反射的に返事をしていた。


「はい…なんでしょう」


それを聞いた紀美代は今度は完全に俯いて、


「く…薬を…作って頂けませんか」


あたしは一瞬何の事か気が付けなかった。


「薬?…あ…あぁ、あれね」


「…え…ええ、則子さんに聞いたんです。貴子さんの作った魔法の薬で彼と仲良く成る事が出来たって」
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