感方恋薬-かんぽうこいやく-
だが、これで一山当てれば一財産出来るかも知れないのだから、それ程高い投資では無い様な気もして来た。


あたしは心の中から湧き上がる笑いを堪える事が出来なかった。


それを見た爺が少し引いた。


「なんじゃ、気色悪い笑い方をしおって。まぁ、此れでだいたい分かったじゃろ。もしも又、何か分からない事が有ったら呼ぶが良い」


そう言うと爺は煙の様にあたしの前から消えて行った。


しみじみ思う…次に呼ぶ時は今度こそ心臓に負担をかけないマイルドな現れ方をしてくれ。
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