感方恋薬-かんぽうこいやく-
全く世の中不平等に出来て居る。


などと思いながら女子の集団に混じって帰りのバスを待って居た。


その横を、クラスメートの紀美代が通りかかって、あたしにぺこりと挨拶した。


そうだ、彼女にも薬を頼まれて居たんだ。


今日の夜にでも作って明日渡そう。


どうやら爺の話に寄れば、金曜の夜と言うのはあまり関係無いらしい。


要は作り方の問題らしい。


材料を使いきってしまう前に彼女の為に一肌脱いでやろう。などと考えて居る内にバスが到着して女子の集団は小鳥の囀りの集団が移動するが如くにバスの車中に消えて行った。
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