感方恋薬-かんぽうこいやく-
そう言えば、さっき則子から薬が効いたって電話が有ったばかりだ。


「薬を使った主から、効果が有ったと連絡があったじゃろ?」


「え…うん、まぁ」


「あのまま渡しても、あれでは単なる香水じゃ。もう少し、捻りを利かせんとな」


「捻るって薬を作るのに捻るも何も無い様な気がするけど」


それを聞いた爺さんは再びかっかっかと笑った。


「若いのう。確かに、わしもそんな時代が有ったかのう。もう、随分昔の話になるがのう」
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