この胸いっぱいの愛を。



「私だって、女友達に突然告白とかされたら……そりゃあ最初はビックリもするし、冗談だと思っちゃうかもだけど、でもやっぱり……」


って、何言ってんの私!!

恥ずかしいから何か適当に喋ってようと思ったら、よりによってこんな……


先輩絶対引いてるよ……

どうしよう、何て言おう!




「やっぱり…やっぱり、嬉しいと思うし…」


一気に喋りすぎて、私は窒息寸前。

息継ぎをしようと、夜の寒い空気を深く吸い込んだ、その時。












「わぷっ」




時が、止まった。


自分とは別の、温かい体温。


爽やかな、シャンプーの匂い。


頬を掠める、柔らかい髪の毛。




突然過ぎて、上手く頭が働かない。




私、駿河先輩に……






───────抱き締められてる?




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