この胸いっぱいの愛を。





────キーンコーンカーンコーン……






「そこまで!
 今日のテストはこれで終了だ!
 明日で最後だから、頑張れよ!」


試験監督の先生の一言で、クラスが一斉に騒がしくなる。

私も筆箱をカバンに放り込んで、いつもより軽いカバンを肩にかけた。


ポケットに入っている携帯の電源をONにして、新着メールを問い合わせる。

数秒後に画面に浮かび上がったのは、【新着メール3件】の文字。


………誰だろう。




メールを開く前に、送り主が表示される。


一つは電話帳に登録していない、ローマ字の羅列。

おそらく、メルマガだろう。


その下には、小学校の同級生の名前。

遊びの誘いか何かかな?


そして一番下……一番最初に来たメールは、




「………将兄からだ」

時間は、8時20分頃。

私達が学校に着いたのが8時10分くらいだから、ちょうど10分後だ。


それにしても、将兄がメールを送ってくるなんて珍しいな。

しかも学校内でなんて、初めてかもしれない。


うちの学校、一応校内での携帯電話の使用は校則で禁止されてる。

まぁ、99%の人は守ってなくて、当たり前のように使ってるんだけど。


でも将兄は、その校則をちゃんと守ってるんだよね。

そんな真面目な将兄がこんな時間にメールなんて……

なんか急用かな?




私は胸騒ぎを覚えつつ、急いでそのメールを開いた。




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