この胸いっぱいの愛を。
〜将一郎side〜
───────………
「…………っう」
………ここは、どこだ?
真っ暗で何も見えない。
俺は、どうしてこんなところに……
「おい、起きたぜこいつ」
聞き覚えのない男の声。
………誰か、いるのか?
聞こえるのは、数人の足音だけ。
俺は横になっている身体を起こした。
いや、正確には“起こそうとした”。
─────しかし。
「!?………身体が」
身体が、思うように動かない。
何かで、拘束されている……?
「動こうとしても無駄だぜ?」
頭上から降ってきたのは、さっきとは違う男の声だった。
その瞬間、俺の暗闇に慣れてきた視界に、革靴が入ってくる。
必死で見上げると、気味の悪い笑みを浮かべている男が三人。
顔見知り……では、ないな。
少しずつ、意識が鮮明になってくる。
それと同時に、後頭部を激しい痛みが襲った。
──────そうか。
俺は、この中の誰かに背後から殴られて……
それで、ここに連れてこられたというわけだ。
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