砂漠の王と拾われ花嫁
「ラシッド様、今朝珍しい娘を拾ったとお聞きしていますが?」


「珍しい娘?」


ラシッドは一瞬何の事か分からなかった。


「砂漠で変わった服を着た娘です」


後ろに控えていたアーメッドが口を開く。


「どこにいる?」


ラシッドが美しい眉を片方上げてアーメッドに聞く。


「東の牢屋です」


アーメッドが兵に指示を出した牢獄は一番清潔に保たれている所だ。


罪の軽い囚人などがいる。


ラシッドは優雅な所作で立ち上がった。


「ラシッド様、どちらへ?」


申し訳程度の布をまとった美女が聞く。


「お前たちはもう帰ってよい」


ラシッドは言うとアーメッドを連れて出て行った。




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