砂漠の王と拾われ花嫁
「お前の方がもてるから私は気が気でなかったぞ?」


「私がもてる?」


何の事かわからない莉世。



「最近、お前に縁談話が舞い込むようになった そして一昨日、舞を舞ってからは両手では数えきれない位お前を妻にと言ってきた どれも名家、旧家の青年たちだ」



莉世は初めて聞く話だった。


もちろん、ラシッドが話を止めていたのだから無理もないが。



「お兄様・・・私を誰かの元へ嫁がせるなんて思っていませんよね?」



心配になって聞く。



「もちろん そんな事は考えていない お前は私のものだ 砂漠で拾った時からお前は私のもの」



ラシッドは顔を傾け、莉世の唇に唇を重ねた。



それは恋人たちの甘いキスだった。



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