砂漠の王と拾われ花嫁
夕餉に戻ってきたラシッドは莉世の寝室へ向かった。
ラシッドは足音をたてて歩かない。
扉の向こうの声が聞こえると莉世は眠った振りをした。
今はちゃんと話しが出来そうにない。
扉が開いた音がした。
そしてベッドの傍に立つラシッドのかすかに香る白檀の香り。
「姫様は眠られておりますね」
マハルの声がした。
「ぐっすり眠っているようだ このまま休ませよう」
ラシッドの声も聞こえ、扉の閉まる音がした。
莉世の目から涙が流れた。
<姫様、残念ながらわたくしには手が動かなくなった原因がわかりかねます>
侍医が莉世の左手を診察してから言った言葉。
莉世は絶望感を感じていた。
ラシッドは足音をたてて歩かない。
扉の向こうの声が聞こえると莉世は眠った振りをした。
今はちゃんと話しが出来そうにない。
扉が開いた音がした。
そしてベッドの傍に立つラシッドのかすかに香る白檀の香り。
「姫様は眠られておりますね」
マハルの声がした。
「ぐっすり眠っているようだ このまま休ませよう」
ラシッドの声も聞こえ、扉の閉まる音がした。
莉世の目から涙が流れた。
<姫様、残念ながらわたくしには手が動かなくなった原因がわかりかねます>
侍医が莉世の左手を診察してから言った言葉。
莉世は絶望感を感じていた。