砂漠の王と拾われ花嫁
「どうした?しっかり食べなくては駄目だろう?アーメッド!」



莉世の表情に気づかず、ラシッドはアーメッドに何か指示している。



アーメッドが腰を低く折ると再び莉世を見る。



「アーメッドにもう一度料理を頼んだ 一緒に食べよう」



突っ立ったままの莉世に言う。









「お兄様は会食だって聞いたけど、お食事してこなかったの?」



「酒を少し飲んだだけだ」



ラシッドはファティマとの事を思い出して嫌な気分が甦った。



「さあ、一緒に食べよう」



莉世の気持ちは複雑だった。



早く帰ってきてくれたものの、ファティマと会った事実は悲しい。




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