砂漠の王と拾われ花嫁
「姫君?」



「そうです わたくしは貴方に興味がありません もうこの中庭へは来ないでください」



今の莉世には余裕がなかった。



愛しているのはラシッドで、他の男性は目に入らない。



そして莉世を何よりも悩ませている問題がある。



イムランが楽器をその場に置くと近づいてきた。


「姫君、そんな事をおっしゃると胸が痛みます」



目の前に立ったイムランは莉世の頬に手を触れた。



ビクッ



莉世は驚いて顔を背(そむ)ける。




< 254 / 491 >

この作品をシェア

pagetop