砂漠の王と拾われ花嫁

愛しい姫

「リセ、まだすねているのか?」



命を粗末に扱った莉世に怒りを覚えたがそれは自分のせい。



前ならば莉世をかばい教師を即刻首にしていただろう。



だが、莉世を妻にするにあたり騒ぎは起こしたくなかった。



騒ぎを起こせばどこからか噂は流れ、莉世は后に似つかわしくないと言うレッテルを貼られてしまう。



「リセ?」



ラシッドは指を乾いた長い髪に差し入れ、ゆっくり梳くように動かした。



サラサラとした感触。



莉世は拒むことなく梳かれているままだ。



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