砂漠の王と拾われ花嫁
ここは莉世の知っているオアシスではない。


そこよりもきれいな澄んだ池に樹木が生き生きとした緑色。


宮殿からかなり離れてしまった事がわかった。





「リセ」


名前を呼ばれてピクッと肩が跳ねた。


いつの間にラシッドは後ろにいた。



「少しは落ち着いたか?」



隣に腰を下ろすラシッドを見ないように莉世はうつむいていた。



そして返事は出来なかった。



また口を開いたら責めてしまいそうだった。




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