砂漠の王と拾われ花嫁
気が付いた時、傍に火が焚かれていた事にラシッドは驚いた。



火などおこせそうもない莉世なのにしっかり自分を暖める火を作ってくれた。




彼女にとって火をおこすだけでも大変な作業だっただろう。



ラシッドは髪を撫でながら目を閉じている莉世を見た。



莉世は疲れきってすぐに眠りに落ちたようだ。



まだ身体は毒でしびれている。



気分も良いとは言えないラシッドも目を閉じた。



だが、眠っているわけではない。



万が一、男たちが襲うとも限らない。



神経は離れた場所にいる男たちの方を向いていた。



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