砂漠の王と拾われ花嫁

意見

ラシッドの予想していた通り、莉世の行動を大臣や長老たちは咎めている。



細工の凝らした長いテーブルの上座にラシッドは座り、後ろに立つアーメッドは顔には出さないが心配していた。



いかに莉世の行動は無鉄砲だったかを聞かされたラシッドはやっと口を開いた。



「お前たちにとやかく言われるほど私は愚王なのか?」



「いえ、そのような・・・そうは申しておりませぬ」



ラシッドの冷たい瞳に見据えられて大臣の1人が額の汗を布で拭きながら言う。



「だが、私の選んだ妃に納得行かないと言う事は私の意見などどうでも良いと言う事だろう?」



早く莉世の元へ行きたいのにこの部屋にいる10人余りの大臣はしばらく解放してくれなさそうだ。



疲れている上に苛立ちがこみ上げていた。




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