砂漠の王と拾われ花嫁
莉世の扉を開けると、ベッドの傍にいたマハルが顔を向けた。



ラシッドだと分かると立ち上がり、深く頭を下げる。



「どうだ?」



「はい 薬のおかげで熱は下がってまいりました」



ラシッドは静かに眠る莉世の顔を見る。



顔色は良くなってきたな。


思わず莉世の頬を手の甲で撫でる。



「・・・ん」



ラシッドの手の甲に莉世は小さな声を漏らした。


「リセ?」



ラシッドが呼ぶと莉世はゆっくり目を開けた。


「ぉ・・にい様・・・・」


呟いてからはっとした顔になった莉世は頭をめぐらし周りを見た。



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