砂漠の王と拾われ花嫁
「宮殿・・・・」



「そうだ 帰る途中にお前は熱を出し意識を失ってしまったんだ」


莉世の宝石のようなグリーンの瞳に生気が戻り安堵した。



「辛くはないか?」



「大丈夫・・・」



莉世はラシッドの背後にいるマハルに目を止めた。



「マハル・・・・」



ラシッドはハマルを隣に手招きし莉世に近づくよう言った。



マハルは莉世の横に立った。



「姫様!心配いたしました」


オアシスから戻ってきて初めて話が出来たのだ。



「マハル、ごめんなさい・・・」



マハルからの言葉は心に響き莉世の瞳が潤んだ。




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