砂漠の王と拾われ花嫁

秘薬2

「盗んだって・・・姫様ならば言えば手に入るのでは?」


泣き出してしまった莉世におろおろとするばかりのカリムだ。



「侍医がわたしとお兄様を結婚させない為に飲ませないのだと・・・」



「そんな!ラシッド殿下はご存知なのですか!?」



知っていれば命令一つで手に入るに違いない。



莉世は首を横に振る。



「わからない・・・」



「わからないって・・・それにファティマって言いましたね?あの大臣の娘じゃないですか!あの娘の言う事を信じるのですか!?もしかしたら毒薬かもしれないよ!」



カリムが興奮気味に言う。



「カリム、声を沈めて・・・」



誰にも聞かれたくない。



「あっ!ごめんなさい・・・」


カリムは素直に謝った。




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