砂漠の王と拾われ花嫁
莉世は立ち止まり振り返ってタヒールの後姿を見た。



婚礼の仕度?



「姫様、お気になさらないように さあさ、行きましょう」



マハルは立ち止まってしまった莉世を促す。



「う、うん・・・」



お兄様とファティマ様の事だよね・・・?



ううん、タヒール大臣にはまだ未婚の子供が数人いるはず。



違うと思い込みたい莉世だった。



「惑わされてはいけません 殿下を信じてくださいませ」



お兄様は信じているけど・・・・本当の事が知りたい・・・。



莉世は大きく息を吸い込むと再び歩き出した。





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