砂漠の王と拾われ花嫁
頬を触られて莉世がピクッと動いた。


そして目蓋がゆっくりと開きグリーンの瞳を覗かせた。


「お・・にい・・さま・・・」


夢でも見ているかのようにうつろな瞳が次第に強さをおびてくる。


「リセ」


夢でないことが分かると莉世は身体を起こした。


そして右手をラシッドに伸ばし身体を寄せた。



「お兄様、ごめんなさい・・・お兄様の言うとおりにします」


「本当か?」


莉世の気持ちはラシッドのもくろみどおりだ。


もくろみと言っては酷い言い方だが、莉世が素直になるように仕向けた。


「本当です お兄様を愛しているもの」


「わたしもだ、お前を愛している 明日式を挙げよう いいね?」


「はい」と言った途端にラシッドに唇を塞がれた。



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