砂漠の王と拾われ花嫁
タヒールが短剣を振り上げた。



月の光に照らされて磨かれた短剣がキラッと光る。




「悪く思わないでくれ」



振り下ろした時、タヒールは足元をすくわれた。



アクバールの合図でカシミールがタヒールの足をはらったのだ。



「な、なに!?」



バランスを崩したタヒールはぶざまに床に転がった。



何が起こったのかわからないままタヒールの手から短剣が落とされる。



そして腕をひねり上げられ低く呻いた。



「ううううっ・・・」



「もう貴方は終わりだ」


タヒールの腕をひねり上げたアクバールが告げた。



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