アイドル様とヒミツな恋を。

……思い出した。


何もかも。



5年前の事故も。



りーにぃのことも。




私が事故にあってから、


竜人と会わなくなったみたいだ。



……多分、それは私の為。


あんなにお世話になったのに、


まだ私はなにも出来てない。


涙が溢れて、止まらなかった。




｢竜人？……違うね。りーにぃ。｣



全く動かないベッドに向かって私は言った。


｢私、りーにぃが大好きだよ？世界中の誰よりも!!やっと全部思い出したのに……!!｣



もうこの声が届かないとはわかっても、



私は竜人に伝えた。


この胸いっぱいの。


溢れるほどの思いを。




｢だから、もう一回起きてよ!!ずっと私と一緒にいてよ!!｣



私は声の限りに叫んだ。