音楽バカ
「お前、今までの休みは…全部サボリか。」
石橋は恐ろしい形相でその女子を睨みつけた。
「い、いえ…その…」
今にも泣き出しそうな表情で顔を伏せた。その女子の周りはもちろん、部室は空気が凍り付いたように静まりかえった。
「コンクールに出るぞ。」
「「…。」」
「返事は!!」
「「は、はいっ!」」
こうして、笑原中吹奏楽部はは初の外部指導と共に初のコンクール出場をすることになったのである。気がのらない部員もいることにはいたが、そこは他のやる気がある部員で補っている。
―「って訳よ。」
美音の机に頬杖をつきながら事の次第を話した。
「あははっ、やるわね石橋も。」
「で、出たくない人は部活やめろって。」
「結局のところ、誰もやめてないんでしょ?」
「んん…まぁね。
でも怖かったよー?」
給食後のひとときは、よっぽどの事がない限り美音と2人で雑談をするか学校を探索して過ごす。今日は雑談だ。
「あたしさぁ…」
希良は真顔になって訊いた。
「正直、まだ迷ってんだ。
コンクールなんて大それたもの、うちの部が出られんのかなって…。」
顧問も安定しないようなこの部で…と付け加えた。やはり不安は大きい。
「大丈夫よー」
美音はその不安げな少女の頭を2回軽くたたいた。