音楽バカ

―B♭ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


チューニングの音
シのフラット

希良のクラリネットのこの音に部員が合わせる。

(…。誰か違う音…。)

―B♭ーーーーー*ーーーーー

(…。)

―B♭ーー*ーー

(…。)

―*

(見つけた…!)

「下倉あッ!」

―バシンッ!!

希良は後ろから下倉の頭をはたいた。

「痛ッ」

「お前、変な音を出してんだよ!
 3年のくせに!!」

「はぁ?!俺がいつ変な音出した?!
 しかもいきなり頭はたきやがって!!」

「いつ出したって?!
 最初からだよ!!
 なんだったら今吹いてみてよ。」

「おおっ。吹いてやるし。」

―ビヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

明らかにサックスが奏でる音ではない。

「めっちゃ変な音出てんだよ!!
 リード、割れてんじゃないの?!」

「なッ!!
 俺がそんな単純なミスをする訳が…!!」

下倉は確認して慌ててリードを変えた。

「やっぱ割れてたんじゃん!!」
「うるせっ」

まわりは大爆笑で、希良は目がつり上がっていた。
下倉は決まりが悪そうにそっぽを向く。

「だいたいお前がこっそり言えばこんなことには…」

「教えてあげたのに何さ!」

「はいはい、そこまで。」

そこで部長の菅波が止めに入った。

「まったく、夫婦喧嘩はよそでやれ。」

「「夫婦じゃありませんから!!」」

2人がハモった。
また大爆笑の部室内。

「まぁ、聞いてくれよ。」

下倉は適当に2人をなだめて
本題に入る。
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