音楽バカ

「先生…すいません。」

美音はかすれた声で申し訳なさそうに頭を下げた。

「?!」

山羽は驚いた顔をした。

「どうしたの、黒澤さん!」

「実は…」

美音はかすれた声で申し訳なさそうに話した。

―「と言うわけです…。」

「困ったわね…
 選考会は一週間後よ?」

「すみません、その代わりと言っちゃなんですが…」

美音は希良の腕を掴んで、山羽に差し出した。

「…え?」

「先生、宮路には絶対音感があります。」

「へぇ…知らなかったわ。」

「コレをあたしの代用に。
 どんな音域でもいけますから。
 声質も、たぶん問題ないし。」

「はぁッ?!」

あぁ…そうか、だからあたしが付き添いなのか…!と希良は今さら気づいた。
ただでは動かない女、それが美音である。

「じゃあ借りるけど。」

美音の推薦に山羽は納得したようだった。そこで困るのは希良である。

「ちょっ、まるで人をTS*TA*AのDVDのように…!」
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