音楽バカ

「あれ………?」

そして、合唱部の写真にも遙がいる。

「………兼部?」

穏やかで優しい顔で相変わらず微笑んでいる。
思い出すのはこの前希良が合唱に出た後の遙。
優しく微笑んでいたのになぜかさみしそうだったあの顔だ。

「でも合唱部の欄には遙さんの名前はないよ?」

合唱部員の名前が書かれた欄には確かに遙の名がない。

「…??」

じゃあなぜここに写っているのだろう。

「なんか謎が増えた?」

美音が苦笑するのに希良も返した。

「そうだね。」

もうここまできたら遙に訊くしかないのだが、希良はやはり訊けそうにないのだった。



―「あぁ、遙なら俺の友達。」

そして美音は今、できるならあまり借りを作りたくない兄に話を伺ってる次第である。

アルバムを見たときに自分の兄貴もいることに気がついたのだ。

「その人、吹奏楽部だったよね?」

「2年の途中からな。」

「え、じゃあそれまでは帰宅部?」

「いや、合唱部。」

「へぇ。」

やっと話がつながり始めた。
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