。☆゜星空゜☆。


「誰にやられた?」

「やられてないよ~、バイクでこけたぁ!」

「じゃ、バイクはどこ?」


笑ってごまかしたけど、理恵は真剣な顔をしていた。


「ひどい……、ひどすぎるよ……。流奈、病院へ行こう」


そっとあたしの肩を抱いた。


「いったぁぁ!!」


理恵はびっくりして、肩から手を放した。


「どこ痛むの?」

「体中だけど……、肋骨いっちゃってる」

「マジ?流奈……」


理恵はあたしの肩に掴まりながら泣き崩れた。


「痛いってば、理恵っ!」

「……して?どうして流奈だけこんなん……ならなきゃいけない……の?どうしていつも流奈なの……?」


 理恵の震える声に、あたしも堪えていた涙が溢れ出してきた。


「大丈夫! 大丈夫だから!」


どうして?なんでだろ?きっと今までの罰なんだよ。


「理恵、肩借してくれる?」

「うん」


涙を拭きながら理恵がしゃがみこんだ。あたしはゆっくり体を動かした。


「あ~、マジ痛ぁ~!!」


理恵はあたしの顔を見て吹き出した。


「なにぃ~?」

「だって流奈のこんな姿、見たことないもん」

「うるさいよ!」

「流奈のバカ!!」

「約束だから……、翼との……」


そう言うと、理恵はまた泣き出した。


「流奈は強すぎるよ……」


強くなんかない。本当はもう、生きていることさえ、つらいんだ……。


そう言いたかったけど、言えなかった。


「よし 頑張る!!」


あたしは理恵の肩に掴まり立ち上がった。痛みに堪えながら、1歩ずつ家に向かって歩き出した。


「理恵……、いつも悪いね……」

「なに言ってんの、急に。気持ち悪いよ」


あたしは笑った。何度あたしは理恵に助けてもらったのか、わからなかった。


いつもそばにいてくれた、かけがえのない友達。


こんなあたしでも見捨てないでいてくれた。


なのに……、あたしはそんな理恵をまた裏切ったんだ。


翼の死を受け止められず、現実から逃げつづけた。





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