*あたしの好きな人*
「柚‥‥何かあったのか?‥‥柚、最近俺の誘い全部断ってたけど‥‥なんか関係してんの?」
雄太は、なんともいえないような
悲しみに満ちた表情で言った。
ちゃんと言わなきゃ。
でも、でも、
なんて言ったらいい?
今までは、てきとうに付き合って、
飽きたらてきとうな理由で
簡単に別れを告げていた。
昔みたく、簡単に言えれば‥‥
今のあたしにはなぜかできない。
何が変わった?って聞かれても
わからない。
でも龍に会ってから、
確かにあたしの中で何かが
変わったんだ。
雄太のことは、好きになりかけている。
けどそれは、まだ完全に
恋愛対象としての好きではない
と思う。
そんないい加減な気持ちで
雄太とは付き合えない。
だって、雄太は、
本当にすごくいい人だから。
あたしはちゃんと知ってる。
雄太は軽く見えるけど、
本当は優しくて、
あたしのこといつも心配して
気に掛けてくれていた。
そんな優しい雄太を、
あたしはいい加減な気持ちで
彼氏にして、そして、
今から別れを告げようとしている。
勝手な女だ。
止めようとすればするほど、
我慢しゃうとすればするほど、
どんどん涙が溢れてくる。
「‥‥柚。」
雄太はまたあたしを抱き締めた。
「柚‥‥俺は、柚が‥‥好きだけど、柚も俺を好きじゃないと、俺らこんな関係意味ないと思う。」
‥‥雄太?
何が言いたいの?
いっそのこと、このまま
こんな最低なあたしを振ってよ。
そう思うあたしは最低以上に最低なのかな。