*あたしの好きな人*

*1-3*



「はぁ〜〜〜‥‥‥」

「ちょっと、やめてよ。そんな長〜いため息なんて」


あぁ、あたし無意識に長〜いため息ついてたんだ。

はぁ〜。


たしかにめちゃくちゃかっこいかった。
桜井龍。


名前までかっこいい。

金に近い茶髪を少し短髪にし、
それを軽くセットし、
ピアスなんて付けてて、
だらしなく着こなした学ラン。


考えてるだけでますます好きになってしまいそう。




「‥‥ず!ねぇ!柚ってば!」

「んあ?あっごめんて!」

「どれだけぼーっとしてんの?なんかあった?」

「いや、それがさ?あたし好きな人見つけたかも‥‥」

それを聞いた奈々は、一瞬驚いた顔を見せ、すぐに脱力感たっぷりの顔に戻った。


「早くない?まぁ今度こそうまくいくといいね!で?その好きな人ってどんなヤツ?」


それ聞いちゃう?
それ聞いちゃう〜?
きっと奈々は無理無理って言うだろうな。。。。


「あたしの好きな人はね、
桜井龍!」


「‥‥‥はっ!?桜井龍ってあの龍さん?さっき祐介と一緒にいた龍さん?」

あたしはニッコリ頷いた。


「無理無理無理!」

あぁ、奈々ちゃん。
予想通りの反応をありがとう。


「無理かなぁ‥‥(;_;)」


「だってさ、龍さん彼女いるっぽいよ?」


「えっ!!マヂ!?誰よ?」


「知らないけど‥‥祐介がそれっぽいこと言ってたし?」


うーん( ̄〜 ̄;)

そんなこと言われても困る。



だって好きになっちゃったもん!

たったの数時間で失恋?

あり得ない。



まだあたしにも頑張る予知はある!



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