*あたしの好きな人*
今日は入学式だけで、午前中で学校が終わった。


あたしは奈々と玄関に向かった。


「おぅ!奈々!一緒に帰ろうぜ?」


「あ、祐介。でも‥‥」

奈々はあたしに気を使ったのか、
あたしをチラっと見た。

「あっ、いいよ!二人で帰りなよ♪」


「柚はどうするの?」

「あたしは〜このまま一人で帰るよ」


奈々が申し訳ない顔をする。


「奈々〜。そんなに気にしなくていいって!そのかわり、あたしに彼氏ができたときはよろしくね?」


「あはは!わかったよ。ありがと!祐介、帰ろ!」


「ちょっ、待って。柚ちゃん彼氏いなかったっけ?」


あ、祐介さんはあたしの中学時代も知ってる人だったんだ。

奈々を通してあたしのことは聞いてるし。

きっと中学3年の終わりくらいに付き合ってた人のことを言ってるんだろうな。



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