旦那様は高校教師


「さぁ余り時間がない。車に戻ろう!」



心ちゃんは私の手を強く握り歩き出す。



あれっ?方向が違うよ?



「心ちゃん、何処行くの?車はこっちでしょ?」



私は北の方を指差した。



「えっ?車はあっちに止めたままだよ?」



心ちゃんは南の方を指差す。



えーーーっ!?もしかして私、南と北と間違えて出て来たの?



「ほたるって…方向音痴だったのか?」



そう言われればそうかも…。



今日は心ちゃんがずっと手を繋いでくれてたから、ショッピングモールで迷子にはなっていない。



でも隣を歩いていて、右も左も分からなかった。



1人だったら間違いなく迷っていたと思う。



と言う事は…心ちゃんの言う通り、私は方向音痴だったって事!?



今まで気付かなかった新たな自分に驚きながら、心ちゃんの案内で無事に車へ乗り込む事が出来た。





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