旦那様は高校教師


私は緩む顔を隠す為、ちょっぴり心ちゃんの後ろに身を隠す。



岡本さんにこんな顔を見られたら、私の心を見抜かれそうだもん。



「保ちゃんも、あれくらいの事しないと女にモテないんじゃない?」



「うるせー」



村瀬さんの言葉に、岡本さんはフンッと外方を向く。



へぇ~成る程!!



男の人皆が、心ちゃんのようにエスコートするわけじゃないんだ!?



岡本さんと村瀬さんを見て、色々なタイプの人が居る事を知った。



「保っちゃん、何か奢ってあげるから!!行くよ」



岡本さんは村瀬さんに強引に引っ張られ、お祭り会場へ向かって歩き出す。



私達は少し距離を置き、後を付いて行った。



お祭りは公園の敷地内で行われており、沢山の屋台が並んでる。



そう言えば小さい頃に一度だけ、お婆ちゃんがお祭りに連れて行ってくれた思い出がある。



騒がしく、行き交う人が蝶々のように思えた。



そして初めて目にしたリンゴ飴。



真っ赤な宝石を身にまとった其れがどうしても欲しくて、買って貰った覚えがある。





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