旦那様は高校教師
「あっ!!心矢さん南条さん」
保達と合流しようと、来た道を引き返していたら、村瀬が俺達に気付き声を掛けてきた。
「保っちゃん金魚すくいに夢中なんです…。私達の事は気にしないで2人で楽しんで来て下さい」
苦笑いする村瀬の視線の先には、沢山の人だかりが出来ている。
「お兄ちゃん、黒いのすくって♪」
「俺は此のおっきいの!!」
良く見ると、保は夢中と言うより子供達に頼まれて其れをすくってる。
当分、動けそうにないな…。
俺達は村瀬の言葉に甘えて、屋台を見て回る事にした。
一通り見終わる頃、ほたるに異変を感じ、俺は歩みを止めた。
「どうした?」
「う…ん…。足が…痛くて…」
ほたるは申し訳なさそうに答える。
足?
歩き疲れた…って訳じゃないな?
もしかすると…。
俺は地面に膝ま付き、ほたるの足に手を伸ばした。