旦那様は高校教師


俺はゆっくり慎重に網を沈め、縁に亀の体半分を乗せ素早く碗に入れた。



「やったぁ♪」



俺より先にほたるが喜ぶ。



良かった…亀すくえて…。



カッコ悪いとこなんて、見せたくないもんな!!



「心ちゃん有り難う♪」



ほたるは亀の入った袋を包むようにして、更にこう続ける。



「カメさん、今日からウチの子だよ。大事に育てるからね♪」



この言葉を聞き、俺はほたると結婚して本当に良かったと心から思った。



一見、幼そうに感じるがほたるの心が純粋で綺麗だから、そんな風に言えるんだ。



ほたるだからこそ、言えるセリフなんだよなぁ。



「カメさん♪一緒にお祭り楽しもうね♪」



こうして、数十匹いる亀の中から二匹だけ俺達の家へ来る事になったんだけど…。



俺…亀にさえヤキモチ妬きそう。





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