旦那様は高校教師


「実はな…」



俺はズボンのポケットから色違いの財布を出し、ほたるに見せた。



「もしかしてペア?」



「うん…。ほたるはこう言うの嫌い?」



「ううん、嬉しい♪有り難う♪」



ほたるは今にも飛び上がりそうな勢いで喜んでくれた。



こんな姿が見られて俺も嬉しいよ。



「あっ、そうだ!心ちゃん此れ…私が焼いたクッキー。先生限定だけど、バレンタインのお返し渡して」



ほたるに渡された袋の中には、ラッピングされたクッキーが入っていた。



「本当は市川さんや先輩達の分も焼こうと思ったんだけど、時間が無くて作れなかったの」



んっ?まさかとは思うけど…時間があったら全員分のクッキーを焼くつもりだったのか!?



イヤァ~其処までしなくて良いと思うぞ?



チョコを貰ったから、お礼に何かを返す。



其れは人として当たり前の事だと思う。



けど、相手が生徒となると話は違ってくるんじゃないか?





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