旦那様は高校教師


時折、私の頬やおでこに触れる優しい手。



『大丈夫だよ』と手を握ってくれた感触。



とても幸せで、心が安らぐ温かい一時。



こんな気持ちは初めて。



幸せに満たされた私は、静かに目を開けた。



此処は…親戚の家…?



…どうして此処に?



私は公園に居たはずじゃぁ…???



其れにあの感触と声。



あれは夢?



それとも…現実?



思い出そうとしても熱で朦朧としていたから、ハッキリした記憶がない。



きっと先生への思いが強すぎて、そんな夢を見た…。



そう結論付けるしかなかった。



だけど其れは、伯母さんによって打ち消されてしまう。





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