同居ゲーム
「お疲れ〜。」



央は片手を上げながら起き上がった。



「ありがとう。」



場所を空けてくれたので隣に座る。



春にはこんなに自然に男の子の隣に座れるとは思いもしなかった。



なんだか今まであわあわしていたのが可笑しくて笑えてくる。



「なぁ、もしかしてソースん中にピーマン入ってる?」



テレビを観ている間続いていた沈黙を央は破った。



そのおずおずとした訊き方がまたおもしろくて…。



答える前にこらえ切れずに吹き出した。



「えっ、何、俺に笑ったの!?」



テレビは番組と番組との繋ぎの時間でニュース。



決して笑える話題ではない。



「うん、央がおもしろくて。」


「えー。」


「言い方がなんか可愛かった。」


「…えー。」



うっわ、屈辱!



央に「馬鹿じゃん」って目で見られた。



「何よぉ。」


「今ので可愛いとか言えるお前の脳のが笑える。」


「屈辱二倍!」


「はぁ!?
いいから答えろよ。」



ピーマンが嫌いな央。



たまに食べに行った時、頼んだものにピーマンが入っていると、丁寧に取り出している。



いつも見ていたんだけど…さっきは綺麗サッパリ忘れた。 



もし「入ってる」って言ったら央どんな顔するかな?



……ゴメンなさい。




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