SEASON
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ハル

蛍光灯があるものの少し地下に作られた薄暗い廊下を進み横並びにある扉の一つを開けた。

廊下とは打ってかわり中はすごく明るく、眩しさの余り目を細めるほどだった。

白い壁に黒い器財が対照的だ。

防音効果のため壁には等間隔に小さな穴が空いていてちょっとやそっとのことでは周りに迷惑は掛からない。

「やっと来たね」

室内にいる3人のうちの1人がこっちを向く。

茶髪の髪を少し遊ばせていて人懐っこい顔付きだと思う。

この人――――丹羽陽生(ハルキ)はあたしがここにいる理由を作った張本人。

恨んではいない。

むしろ感謝してるくらい。

この世界にあたしを呼んでくれたことに。
始まりは……雨の日だった。


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受験戦争に無事勝利を収め、晴れて高校生になったその日。
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