SEASON
言いたい事はまだあったけど頬を引っ張る力が一段と強くなって「わひゃった」と言うしかなかった。
「それでよろしい」
満足そうに笑う陽生は歩みを再開し、あたしは少しジンジンする頬をさすりながら後に続く。
┼┼┼┼┼
とうとうこの瞬間がやってきた。
「今日は新メンバーを迎えて帰ってきた。紹介の前にまず一曲!」
陽生は一拍置き、存在感のある声で告げる。
「俺らの一曲目『季節巡る風吹けば』」
ドラムのバチから始まり、あたしのギターがメロディーを奏でる。
『学校の裏にある青色のベンチ
そこから見上げる空は真っ青で
木の間から差し込む木漏れ日は
眠気を誘う
ヒラヒラと桜の花びらを運ぶ風
俺の髪もついでに揺らす』
この曲は陽生に試しに初めて渡されたヤツだ。
『青いベンチの隣の木に
セミの抜け殻ひとつ
7日間だけの地上の命
ベンチに座って目を瞑れば
一生懸命さが風に乗って伝わる
季節は巡り巡る
風の表情変えて』
暖かい感じのする曲だなとは思ってたけど、この曲は季節を歌ってる。
「それでよろしい」
満足そうに笑う陽生は歩みを再開し、あたしは少しジンジンする頬をさすりながら後に続く。
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とうとうこの瞬間がやってきた。
「今日は新メンバーを迎えて帰ってきた。紹介の前にまず一曲!」
陽生は一拍置き、存在感のある声で告げる。
「俺らの一曲目『季節巡る風吹けば』」
ドラムのバチから始まり、あたしのギターがメロディーを奏でる。
『学校の裏にある青色のベンチ
そこから見上げる空は真っ青で
木の間から差し込む木漏れ日は
眠気を誘う
ヒラヒラと桜の花びらを運ぶ風
俺の髪もついでに揺らす』
この曲は陽生に試しに初めて渡されたヤツだ。
『青いベンチの隣の木に
セミの抜け殻ひとつ
7日間だけの地上の命
ベンチに座って目を瞑れば
一生懸命さが風に乗って伝わる
季節は巡り巡る
風の表情変えて』
暖かい感じのする曲だなとは思ってたけど、この曲は季節を歌ってる。