SEASON
千明はまだ聞きたそうな顔してたけどあえてスルーして、次のゲームの開始を待つ。

4人それぞれ位置について準備できたら陽生から始まる。

身長で千明には一生勝てないから上が通るのは仕方のないこと。

だからあたしはコースを徹底的に潰す努力をした。

男女の身体能力の差で短距離はどうしてもあたしの方が遅いけど、そこは反射神経と感で補ってなんとか互角というかそれの近くまで持っていった。

久しぶりの感覚に嬉しすぎて気を緩めればすぐ顔がにやけてしまう。

まぁ、ゲームしてる間はそんな余裕ないけど。

でも、他の3人はすごくうまい。

バスケの技術は一朝一夕でつくものじゃないから長い時間と才能が必要。

この3人はその両方を乗り越えてきたんだ。

そんな人たちと出来るなんて思ってもみなかった。

ましてこの足だし、バスケ自体もう無縁の存在になるかと思ってた。

その後小一時間攻めと守りを交互に繰り返してあたしがへばったのを合図に一旦休憩に入った。

あたしが抜けた後も風幸と陽生2人で1ON1やってる。

基本的な体力が違うな。
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