SEASON
でもね、もうあたしはこんなに成長したんだよ。

もう、遅いんだ。

「捺未ー!次やるぞー」

「あ、すぐ行くー!」

呼びに来た陽生に笑顔を返しコートへ足を向けた。

千明とはちょっと気まずいかなって思ったけどあれから何も言ってこない。

こっちから話を掘り返すことは絶対しないから、自然と前の雰囲気が漂う。

でも時々、笑ってる時に千明があたしを見てるって気づくようになった。

でも何も言ってこない。

ならあたしも何も言わない。


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