SEASON
一向にキーボードを打つ気配のないあたしを見かねて「ちょいと代わって」と言ってまたカジさんがパソコンの前に座った。

「んじゃ、俺の質問に答えてくれるだけでいいから」

「あ、はい」

「まず始めに生年月日と血液型」

「12月31日のO型です」

「おぉ、すげぇ!大晦日じゃん」

「そうなんですよ」

我ながら大変忙しい日に生まれたと思うよ。

人騒がせって言うかなんて言うか…。

予定日が丁度大晦日で1日遅れても元旦だし、お祝いが一つ増えたと思えばちょうどいい。

「次はぁ…何にしようか?んー…千明と同じにしとくか。家族構成は?」

「あー…」

血が全く違うのに家族って言うのかな?

一応戸籍上は家族ってことになってるけど、義理の両親に義理の兄2人って言いにくい。

どうせあたしの知らない人が見るんだけど、ちょっと気になってしまう。

「あ、わりぃ。世の中人それぞれだもんな。さっきのは忘れて」

何も言わないあたしに何かを感じたのかカジさんは言葉を濁した。
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