SEASON
いつも通りの朝、いつも通りの電車に乗って昨日となんら変わらない友達と挨拶して雑談する。

そしていつも通りのSHRで担任の小宮智子が言った。

「今日の放課後から個人面談をします。聞く事は今熱中しているものや大切なもの、将来の夢や進路などです。それぞれ考えていてください」

連絡事項だけを言うと小宮先生はそそくさと教室から出て行った。

その入れ替わりに数学の教師が入ってきて、委員長が号令をかけた。

高校で個人面談をやるなんて意外だった。

高校はもっと自由で先生は干渉しなくて知識だけ教えればいいって感じかと思ってた。

熱中しているものや大切なものかぁ。

部活をしていればそれを言えばすぐ終わるんだけどあたしは結局部活に入らなかった。

熱中しているものを強いて言うならギターくらいなか。

けど、先生たちはそんな答えを待ってるんじゃないんだろうな。

ましてバンドなんて。

でもあたしの中でこの1ヶ月半のうちにSEASONが大きな存在になりつつある。

大切なもの…なの…かな?
< 91 / 128 >

この作品をシェア

pagetop