瞼の人-マブタノヒト-
『やめ、やめ!!私の話は!!終了ーー。』
精一杯笑顔で明るく言った。
もう何も言わない二人がありがたかった。
わかってくれる人がいる、凄く嬉しかった。
『凌治は?彼女、ミクちゃんだっけ?上手くいってんの?』
外野のタケが何で俺には聞かねぇんだよってうるさかったけど、私が投げた質問で楽しそうに笑った。
「澪、凌治は今大変なんだよー。」
『何で?何かあったの?凌治。』
あ゛ー!!て髪をくしゃくしゃに掻いた凌治。
いつも余裕な凌治だから、こんな姿は珍しかった。
「今、説得中。」
説得??『説得?』
思ったことはそのまま口に出てた。
「俺、もういい加減やめんだ。次はちゃんと好きになった奴と付き合う。んでめちゃくちゃ大事にする。」
凌治らしからぬ発言に驚いたけど、何となく嬉しかった。
『そだね。』
今までいっぱいの子を泣かせてきた凌治。
これから凌治に愛される人は幸せだろうな。
『凌治、変わったね。』