瞼の人-マブタノヒト-

焦燥


高宮君にメールを送るのをやめた。
送るメールも返ってくるメールも何の意味ももたない事に気づいたから。


みんなは一体どんなメールをしてるんだろう。
疑問に思った事は誰にも聞けなかった。



廊下ですれ違ったり、目が合うたび心は跳ねるけど時間がなんとかしてくれる。


冬休みに入れば会うこともない、このままでいれば大丈夫って信じてた。



クリスマスはユーリ達と遊びにいって、夜はタケ達と公園でケーキを食べた。



大晦日は雨が降ってたから家で過ごした。


新年が明けて1週間して会ったタケと凌治の一言目は

「お前、あけおめメールぐらい送れよ!!」だった。


どうも私からは来ると思ってたらしく、来なくてむかついたらしい。



そんな事言われても。そう思ったけど口には出さなかった。




冬休みが終わった。
気持ちの整理は出来なかった。


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