瞼の人-マブタノヒト-
2月のバレンタイン。
学校中が色めきたってたように思えた。
女子はもちろん男子も。
目に見えるぐらいにそわそわしてる男子が面白かった。
げた箱から来た凌治はすでに紙袋いっぱいに持ってて得意げに笑ってた。
その隣で恨めしそうに凌治を見るタケ。
聞かなくてもわかる、もらえてないんだろうな。
高宮君はと言うと、いくつかの本命チョコをもらったらしい。
聞いてもないのにおせっかいなユーリが私に言ってきた。
ユーリは最近の私がどうも嫌らしく、私が『何ともないよ。』って、言うたび口を尖がらせる。
「澪は逃げてるだけだ。」
これは最近のユーリの口癖だった。
逃げてる。
うん、そうかもしんない。
でもそれがどうして悪いのか私にはわからなかった。
いつまでも続けることに意味があるとは思えなかった。
あげるつもりも無かったのに、何故か買ってしまってたチョコは帰りの駅でこっそり捨てた。
気持ちも一緒に捨てれたらいいのにって思った。
学校中が色めきたってたように思えた。
女子はもちろん男子も。
目に見えるぐらいにそわそわしてる男子が面白かった。
げた箱から来た凌治はすでに紙袋いっぱいに持ってて得意げに笑ってた。
その隣で恨めしそうに凌治を見るタケ。
聞かなくてもわかる、もらえてないんだろうな。
高宮君はと言うと、いくつかの本命チョコをもらったらしい。
聞いてもないのにおせっかいなユーリが私に言ってきた。
ユーリは最近の私がどうも嫌らしく、私が『何ともないよ。』って、言うたび口を尖がらせる。
「澪は逃げてるだけだ。」
これは最近のユーリの口癖だった。
逃げてる。
うん、そうかもしんない。
でもそれがどうして悪いのか私にはわからなかった。
いつまでも続けることに意味があるとは思えなかった。
あげるつもりも無かったのに、何故か買ってしまってたチョコは帰りの駅でこっそり捨てた。
気持ちも一緒に捨てれたらいいのにって思った。